【第2話】夢の先にあった地獄

料理の世界に興味を持ったキッカケは、クッキングパパや美味しんぼなどのグルメ漫画などに影響されたからでした。

家には、父親が集めていたグルメ漫画が多く、暇な時に読んでいたせいか、料理に興味を持つことが多くなり、小学生の頃から自分で料理を作るように。

小さい頃からレパートリーにない新しい料理を作ってみたり、ちょっと変わった料理に挑戦するなど楽しんでた記憶があります。

小学生から料理の世界に入ろうと決め、高校を卒業する時まで、その考えは変わらず、調理の専門学校へと入学。

もともと料理は好きだったので、学校はかなり充実していましたね。

自分が求めている知識を勉強でき、今まで食べた事のない料理を食べ、そして作る。

あの時間はかなり贅沢な時間だったなー。

時にはテレビでしか見た事のない有名料理人が、授業をしてくれた事もあったので、ミーハー丸出しで興奮していたのを覚えています(笑)

そして僕は、別に褒められた人間ではないので、時には授業終わりに近所のパチンコ屋に行って、なけなしのバイト代を溶かすことも…。

うまにい
やっぱこいつアホや…!!

料理人になると同時に、なぜか人生初の坊主になる

自分の学びたい事を学び充実した1年の専門生活を終えて、僕は地元の某有名ホテルに就職。

小さい頃からの夢を叶え、有頂天になっていたと思います。

新人全員の研修ではやる気に満ち溢れていたため、誰よりも活発に行動しました。

ホテル勤務の場合はサラリーマンと何ら雇用形態は変わらないので、サラリーマンの研修と全く同じものがありました。

やる気に満ちあふれすぎていたのか、

「こんな甘っちょろい覚悟じゃ、この世界生き抜く事なんかできねえ!」

と、研修が終わる頃に1人で勝手に奮起して、幼馴染に手伝ってもらい、人生初の坊主にしました。

料理人あるあると言えばあるあるなんですが、別にしなくても良かったので、今考えてもアホだなーって思います(笑)

料理人の下っ端に人権なんてない

人生初の坊主にしてその気合を身にまとい、
(頭は何もまとってませんが)

小さい頃から憧れた料理人の現場では、地獄が待っていました。

僕が働いていた現場では、新人に人権なんてのは存在しませんでした。

口を開けば怒られ、自分の考えがあって動いていても、相手が見て非効率だと思うなら怒鳴られ、罵倒され、なぜか人格まで否定されます。


「おめーは今までどうやって生きてきたら、そんなクズに育つんだよ!」

「我慢した事がないから、こんな事も耐えられないんだよ」

「学校で何教わってきたんだ?」

「ほんっとお前は使えねえな!」

・・・・・・。

ありとあらゆる言葉で責められました。

同期と仕事の話を職場で話していたら、「いつまでもくっちゃべってんじゃねえ!」と、思いっきり蹴られた事もあります。

スチームコンべクション(簡単に言うと蒸し器)という調理器具を、先輩がシャワーで流していた時に、横を通ると「なんかムカついたから」という理由で、シャワーの水を服と顔にかけられた事もあります。

先輩Aに「これ、やっといて」と、お願いされた事をやっていると、

先輩Bに「お前、何してんだ?」と、怒られる事も・・・・。

そこでA先輩の名前を口に出そうもんなら、「そうやって、人のせいにする事しかできねえのか」というセリフを言われるので、何も言い返せません。

A先輩は関わりたくないので、気付いててもシカトです。

正直理不尽なんてもんじゃありません。

分からない事を僕の直属の先輩に聞いても、ハッキリとは教えてくれません。

きっと、自分がそうやって育ってきたからなんだと思います。

「人からは教わるもんじゃない」

「人に聞いている時点で甘え」

非効率なんてもんじゃありません。

何をしても怒られ、
何を言っても否定され、
相手の気分で暴力をふるわれ、
奴隷のように使い古され、

こんな日常を繰り返していくうちに、僕は職場でしゃべれなくなりました。

普段はわりとおしゃべりな僕が、職場だと、どもるようになりました。

どもっているとハッキリ喋れと言われ、

頑張ってハッキリ喋れば根本から否定され、

僕は訳が分からなくなりました。

毎日、胃が痛かったのを覚えています。

毎日、職場までの電車で死んだ顔で外を眺めていました。

毎日、あのホテルぶっ潰れてくれねえかな。

と、心から思う様になりました。

毎日、毎日、毎日、毎日・・・・。

料理人は小さい頃からの夢でした。

僕は1流の料理人になり、修行した店では十分なポジションを得て、その後は地元に店を構えるもんだと思っていました。

仲の良いやつだけを集め誰もが美味いと言ってくれる料理を提供し、自分だけの最高にわがままな店を作るのが夢でした。

しかし、現実は違います。

超一流ホテルと言われているのにも関わらず、店は毎月赤字

店としてのブランドもあり、
高級食材を惜しげもなく使い、
本場の料理人を高い金で雇っていて、
芸能人もくるような店が、毎月赤字でした。

それでも忙しすぎて休憩も取れないような職場だったので、成長なんて感じた事ありません。

※雑用のスピードだけは上がりましたが(笑)

僕は料理人という人種が心から嫌いになりました。

あれだけ好きだった料理も嫌いになり、結局、料理人時代は家で一度も料理を作ることはありませんでした。

今では料理がまた好きになり、よく家でも作っていますが

10年働き続ける先輩と、新卒の給料が3万円しか変わらなかった現実

ある時、たった一人の仲良かった先輩が言いました。

「ここは監獄だよ」

まさにその通りだと思いました。

決められた時間に出勤して、
決められたポジションで仕事をし、
求められるのは、人ではなく、作業効率のみ。

このまま続けて上に立ったとしても、顔の見えない客に料理を作り続ける日々。

そしてまたある時、僕は先輩に給料を聞いてしまいました。

あの時は愕然としましたね・・。

僕より10年も早く入社した先輩と、僕との給料が3万しか変わらなかったんです。

こんな監獄の様な場所で10年働き続けている先輩が、です。

なかの
ここにいたら、人生ダメになってしまう…!

心の底からそう思った僕が、将来性の無さから退職を決意した瞬間でした。

とてもじゃないけど、耐えられないと思いました。

それでもバイトじゃないので次の日に辞めれるもんでもなく、僕は逃げ場を常に探しました。

探して、探して、トイレで携帯を見ていたある日。

僕の人生を変える、ある一つのブログに出会ったのです。

第3章へ続く。

【第3話】大金を手に入れ、勘違い野郎になる

2017.07.29

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